落葉高木。 本州〜九州の丘陵の雑木林から山地の林内に生える。高さ12m、直径30cmほどになる。樹皮は灰褐色。小さな楕円形の褐色の皮目がある。若い枝は細く、褐色の伏毛がある。葉は互生。枝先に集まってつく。葉身は長さ8〜25cm、幅4〜8cmの長楕円形または倒卵状長楕円形。先は鋭くとがり、基部は広いくさび形。ふちには先端が芒になる小さな鋸歯がある。質は薄い。側脈は20〜28対、ほぼ平行に並び、裏面に突出する。表面は脈上を除いて無毛。裏面は全体に淡褐色の毛が生え、脈上には密生する。葉柄は長さ1〜2cm、褐色の斜上する毛が密生し、上面に溝がある。本年枝の先に長さ15〜25cmの大きな円錐花序をだし、小さな淡黄白色の花を多数つける。花序には毛が密生する。花は直径約3mmほどで、芳香がある。花弁は5個、外側の3個は大きく広卵形、内側の2個は小さく線形。雄しべは5個、1〜2個が完全雄しべで、残りは退化して仮雄しべになっている。完全雄しべは花糸の先端が杯状に広がって葯がつく。仮雄しべは鱗片状で白く、花柱の下半部を包む。果実は核果。直径4〜5mmの球形、9〜10月に赤く熟す。花は花序にびっしりとつくが、果実はまばら。核は褐色でかたい。中に種子が1個入っている。花期は6〜7月。 冬芽は裸芽。褐色の伏毛におおわれる。頂芽は細長く長さ1cmほど。側芽は小さい。葉痕は縦長の半円形。維管束痕は小さく、8個ほどが半円形に並ぶ。(樹に咲く花) 学名は、Meliosma myriantha アワブキ科アワブキ属 参考 アワブキの花の構造 |
▼2019年6月6日 八雲 | ||
▼外側の花弁3個は大きい。 | ▼完全雄しべが2個ある。 | |
▼花は直径約4mm。 | ||
▼2018年6月14日 八雲 | ▼花はほとんど終わっている。 | |
▼花は直径約4mm。 | ▼外側の3個の花弁は大きい。 | |
▼内側の花弁は線形、雄しべがつく。 | ▼外側の3個の花弁。 | |
▼雌しべの下半部を仮雄しべが包む。 | ▼ほとんど花は終わり花弁は落ちている。 | |
▼2013年6月6日 八雲 | ▼花弁の外側3個は大きい。 | |
▼2013年6月3日 蕾 東持田 | ||
▼2013年5月2日 蕾 東持田 | ||
▼2013年8月26日 若い果実 東持田 | ▼果実は直径約4mm。 | |
▼果実の基部に花柱と萼片が残る。(乾燥標本) | ▼花柱(左下)と萼片(右)。 | |
▼2011年6月29日 花後 天宮山 | ▼幼果 | |
▼2009年6月27日 幼果 東持田 | ||
▼2010年5月1日 若葉 八雲 | ||
▼2008年8月2日 八雲須谷 | ||
▼2008年5月17日 東持田 | ||
▼新枝の先端。毛が密生する。 | ||
▼2007年9月27日 大平山 | 裏▼面は毛が多い。 | ▼冬芽は伏毛に覆われる。 |
▼小さな鋸歯の先端は芒となる。 | ▼葉は枝の先端に集まる。 | |
▼2011年5月2日 若葉 大平山 | ||
▼2020年4月27日 芽吹き 西忌部 | ||
▼2007年12月23日 冬芽 大平山 | ||
▼2012年8月12日 東出雲 | ||