ヒメフウロ(姫風露)

越年草
本州や四国の一部の石灰岩地に自生する。全草に特有の臭気があり、軟らかい開出した白毛がまばらにある。茎は基部で分枝して、高さ20〜60cmになる。葉は互生し、長さ3cm、幅5cmほどで、深く3全裂し、小葉はさらに羽状に深裂する。茎の上部の葉は羽状葉状になる。葉腋から長い花序を伸ばして、直径15mmほどの淡紅色の花を1〜2個つける。花弁には2本、濃色の筋がある。雄しべの葯は赤い。果実は長さ2cmほどの嘴状となる。古くなった葉や、結実期に入った全草は赤く染まることが多い。最近、帰化したと思われるものが市街地に見られるようになった。萼片には開出毛と腺毛がある。萼片の先端は芒になる。花期は春。(日本帰化植物写真図鑑)
学名は、Geranium robertianum
フウロソウ科フウロソウ属
図鑑に葯は赤いと記載があるが、帰化植物MLで、「ヒメフウロの葯が赤、うすピンクと黄色の3タイプがあることがわかりました。」と教えていただきました。
ヤサカフウロの花は直径7〜14mm。ヤサカフウロ(Geranium purpureum)との果実の違い。Manual of the Alien Plants of Belgiumの右の画像がヒメフウロの果実。
参考サイト:「遅咲きの花は葯が鈍い黄色」 (occasionally dull yellow in late flowers)
 よく似たヤサカフウロは、「茎葉は鳥足状葉で、3〜5裂する。裂片は更に羽状に深裂する。」(GKZ植物辞典)



▼2018年6月7日 東忌部▼雄しべの葯は赤色。▼果実。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ果実

▼葉は3全裂し、さらに裂ける。

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ


▼2017年6月12日 東出雲▼雄しべの葯は赤色。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

▼若い果実。▼葉は深く3全裂する。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

▼2020年7月25日 八雲▼雄しべが10本、中央に柱頭がある。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

▼葯が開くと雄しべは中央に集まる。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ


2013年7月20日2014年8月2日の撮影場所と同じところにあったもの。
▼2016年6月18日 美保関▼雄しべの葯は赤色。▼花は2個ずつつく。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ果実

▼果実は枯れた柱頭を含めて長さ約22mm。萼は長さ約8mm。▼萼の中に分果がある。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼分果は5個あり、長さ約3mm。▼分果の側面と腹面(下)、2本の糸がある。▼分果の背面。

ヒメフウロ分果

ヒメフウロ分果

ヒメフウロ分果

分果の上部。▼分果に種子が1個あり、長さ約2.3mm。▼種子の背面。

ヒメフウロ種子

ヒメフウロ種子

ヒメフウロ種子

▼種子の腹面。▼種子の側面。▼葉は3全裂し、更に深裂する。

ヒメフウロ種子

ヒメフウロ種子

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

▼裂片が巻き上がり分果を飛ばす。▼分果には糸がある。

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

▼分果の上部の白色のものが糸。▼巻き上がって外れた裂片。▼巻き上がって残っている裂片。

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

▼2016年5月21日 美保関▼雄しべの葯は赤色。▼花が2個ずつつく。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

▼若い果実。▼乾燥した果実。嘴を含めて長さ約2cm。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼萼の中に線形の鱗片状のものがある。▼萼の中の分果。▼分果の側面、長さ約3mm。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼分果の背面。▼分果の上部。▼分果の腹面、種子が1個入る。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼種子は楕円形、長さ約2mm。▼葉は3全裂し、さらに羽裂する。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉裏面

ヒメフウロ

ヒメフウロ


当初葯の色からヤサカフウロとしたが、羽状深裂する葉と果実の模様からヒメフウロとした。
「anthers occasionally dull yellow in late flowers」
▼2013年7月20日 美保関▼雄しべの葯は黄色。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

▼花弁には2本の濃い筋がある。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

▼花は直径約1.1cm。萼の先は芒になる。▼柱頭は5裂する

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ

▼若い果実。▼果実は花柱を含めて長さ約2cm。▼花後はまだ果体の嘴が伸びていない。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ萼

▼萼や花柄に腺毛がある。▼萼に長毛や腺毛がある。▼花柄に腺毛がある。

ヒメフウロ萼

ヒメフウロ萼

ヒメフウロ花柄

▼葉は3深裂し、更に羽状に中裂する。▼葉身は約5cm。

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

▼葉の縁に腺毛がある。

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉裏面

ヒメフウロ葉裏面

▼小葉の裂片の先端は突起になる。▼節が膨れる。托葉と、茎の腺毛。

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ茎

▼托葉▼茎の腺毛。▼節が膨れる。

ヒメフウロ托葉

ヒメフウロ茎

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

▼2014年8月2日 美保関▼雄しべの葯が黄色。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

▼花は直径約1.2cm。

ヒメフウロ花

ヒメフウロ花

ヒメフウロ果実

▼伸びた花柱と萼は合わせて長さ約2cm。▼花が終わったばかりの萼。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼果実は熟すと萼が開いてくる。▼開いた萼の基部に5個の分果がある。▼5個の分果。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼萼は直径約5mm。▼萼の中に5個の分果がある。▼上から見た果実。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼分果の腹面(上)、背面(下)。▼分果は長さ約3mm、隆起線模様がある。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ果実

▼分果の腹面、1個の種子が入っている。▼若い種子、長さ約2mm。▼葉は対生する。

ヒメフウロ果実

ヒメフウロ種子

ヒメフウロ

▼葉身は長さ約6cm。▼葉面や葉の縁に毛がある。

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

ヒメフウロ葉

▼裏面の脈上に毛がある。▼茎に長短の毛がある。

ヒメフウロ葉裏面

ヒメフウロ葉裏面

ヒメフウロ茎

ヒメフウロ

ヒメフウロ


▼2006年4月30日 浜乃木 植栽? 道路脇▼雄しべの葯が赤い。

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ

ヒメフウロ



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