落葉高木 東海地方以西〜九州の日当たりの良い林縁に生る。高さ5〜10m、大きいものは30mになる。樹皮は灰色〜褐色。縦に浅く裂ける。若い枝には褐色の軟毛が密生するが、のちに無毛になる。2年枝では小さな長楕円形の皮目が目立つ。葉は互生。奇数羽状複葉で長さ20〜30cm。葉柄と葉軸に軟毛が生え、小葉が5〜7対つく、小葉は長さ5〜10cm、幅1〜3cmの披針形で、柄はほとんどない。先端は鋭く尖り、ふちには尖った鋸歯がある。基部は切形または円形で、左右不相称。裏面脈上には軟毛が散生し、油点が散在する。雌雄同株。新枝の先に穂状花序を数個直立する。頂生の1個が雌花序で長さ約2cm、そのまわりに長さ4〜10cmの雄花序が10個ほどつく。雌花序の先にも雄花序がつくが脱落しやすい。雄花の苞は長さ約2.5mmの卵状披針形で、上面に雄しべが8〜10個つく。雌花の苞は長さ約3mm、下部は卵状で上部は尾状に尖る。子房は苞の下部と合着し、周囲を翼状になった小苞がとり囲む。花柱は太く、2裂してそり返る。花には花被はない。果実は堅果。果穂は長さ2〜3cmの卵状楕円形で、苞が密に重なる。堅果は小苞が翼状に発達した扁平な広倒卵形で、長さ幅ともに5mmほど。苞の間につき、熟すと1個ずつ落ちる。果穂は残る。花期は6月。(樹に咲く花) 冬芽の頂芽は卵形で先端が尖る。側芽は小さい。葉痕はハート形または半円形。 学名は、Platycarya strobilacea クルミ科ノグルミ属 |
▼2015年6月10日 玉湯 | ▼中央の雌花を雄花が取り囲む。 | ▼雌花は柱頭が伸びている。 |
▼雌花の先に雄花がつくものもある。 | ▼雄花は長さ約7cm、雌花部分は2.5cm。 | ▼雄花はまだ葯が開いていない。 |
▼雄花の苞は長さ約3mm。 | ||
▼雌花の柱頭が伸びている。 | ▼雌花の苞は長さ約3mm。 | ▼苞の内側に雌花がある。 |
▼雌花の両側に小苞があり、花柱は2裂する。 | ||
▼2009年5月31日 玉湯 | ▼中央の雌花を雄花が取り囲む。 | |
▼2006年6月18日 雄花 鹿島 | ▼花序 | ▼中央が雌花 |
▼2003年6月15日 東出雲 | ||
▼2006年6月3日 小葉の基部は左右不対称。 佐草 | ||
▼2003年7月26日 若い果穂 東忌部 | ||
▼2005年11月12日 果穂 東忌部 | ▼苞の間に果実がある。 | |
▼2014年3月24日 果穂 秋鹿 | ▼苞の間に落ち残った果実がある。 | ▼果実。 |
▼果実は長さ約5mm、翼状の小苞がある。 | ▼果実が落ちても果穂は残る。 | |
▼樹皮は縦に浅く裂ける。 | ||
▼2019年7月6日 若い果穂 鹿島 | ▼苞の間に若い果実に残った柱頭が見える。 | |
v▼苞と果実。 | 果実は長さ約5mm、翼がある。 | |
▼2003年7月26日 若い果穂 東忌部 | ||
▼2004年1月24日 果実 田和山 | ||
▼2019年4月20日 芽吹き 八雲 | ||
▼まだ開かない冬芽 | ||
▼2011年5月2日 芽吹き 枕木 | ||
▼2010年4月8日 芽吹き 玉湯 | ||
▼2008年4月20日 芽吹き 八雲 | ||
▼2009年4月19日 新芽 八雲 | ||
▼2018年10月28日 冬芽 東出雲 | ▼頂芽は卵形、側芽は小さい。 | ▼葉痕はハート形。 |
▼副芽が並んでいる。 | ||
▼2013年1月31日 冬芽 東忌部 | ▼葉痕。 | |
▼2006年1月29日 冬芽 東忌部 | ▼冬芽と葉痕 | |
▼2009年3月8日 冬芽 鹿島 | ▼葉痕。 | |
▼2011年2月16日 冬芽 玉湯 | ▼冬芽と葉痕。 | |
▼2010年3月13日 冬芽 東忌部 | ||
▼2023年2月26日 鹿島 | ||
▼2020年3月25日 葉痕 美保関 | ||
▼2011年6月1日 幼木 玉湯 | ||