多年草 台湾の原産。1924年に導入され、庭園や切り花用に栽培されてきたが、種子の発芽から6ヶ月で開花するため、近年各地で野生化して道ばたや堤防法面などで繁殖している。地下の黄色味を帯びた百合根状の鱗茎から1.5mほどに達する直立茎を出し、幅約1cm、長さ15cmほどの線形の葉をやや密につける。茎の頂部に長さ15cm、直径13cmほどのラッパ状の花被片6弁の花を総状につける。花の内部は乳白色、外側はしばしば紫褐色を帯びる。花期は夏〜秋。(日本帰化植物写真図鑑) 学名は、Lilium formosanum ユリ科ユリ属 コオニユリやオニユリは実生から数年経たないと開花しないが、タカサゴユリは1年目に開花する。 よく似たもの(或いは同じもの)にテッポウユリとタカサゴユリとの交配種のシンテッポウユリ(Lilium x formolongo)がある。花が白色である場合はこのシンテッポウユリの可能性がある。全農教 神奈川県植物誌2018には、タカサゴユリの項はなくシンテッポウユリが記載されており、紫色の筋が入るものや純白のものもシンテッポウユリに含められていると思われる。 [シンテッポウユリ] 高さ 30~150cm。葉は密生し、幅 3~7mmと細い。花は8~9月、1~5花が横向きに開き、花冠は筒状漏斗形、外面は紫色を帯び、内面は純白である。埠頭、高速道路の法面や鉄道沿線、土手に生え、もとは植栽したものが逸出して、種子でよく繁殖し、県内各地に見られる。長野県の西村進氏がタカサゴユリとテッポウユリとの交雑により作り出したもの(渡辺 1988)で、1代雑種だけではなく、さまざまな戻し交雑の系統がつくられ、逸出している。(神奈川県植物誌) |
▼2019年9月4日 打出 | ▼ふつう紫褐色の筋が入る。 | |
▼紫褐色の筋がないものがある。 | ▼線形の葉を密につける。 | |
▼2012年8月22日 玉湯 | ▼花が白色 | |
▼葉は長さ約18cm、幅1cm。 | ||
▼2012年8月5日 島根 | ||
▼2010年12月1日 東生馬 | ▼花被の外側が紫色を帯びる。 | |
▼2009年11月15日 玉湯 | ▼果実 | |
▼2009年8月29日 本庄 | ||
▼2005年8月30日 鹿島 | ||
▼2004年8月21日 西忌部 | ||
▼2013年11月30日 裂開した果実 玉湯 | ▼裂けた裂片は格子状の繊維で繋がっている。 | ▼3室あり、2個の種子が並んで積み重なる。 |
▼種子は長さ約6〜9mm、周囲に幅1〜2mmの広い翼がある。 | ||
▼2013年9月22日 果実 鹿島 | ▼果実は長さ約10cm。 | ▼果実の横断面、直径約1cm、3室ある。 |
▼1室に2個が並んでいる。 | ▼果実の縦断面、多数の種子が積み重なる。 | ▼若い種子は長さ約4mm、翼がある。 |
▼2014年1月23日 越冬株 東生馬 | ||