落葉低木 本州〜九州の山野にまれに自生する。株立ちで、高さ1mになる。樹皮は紫褐色。縦にはがれ落ちる。若枝は灰白色。はじめ軟毛が密生するが、のちに無毛。樹皮はしだいに縦にはがれて、暗赤褐色に変わる。葉は互生。葉身は長さ2〜6cm、幅2.5〜6cmの広卵形で、掌状に浅く3〜5裂する。基部は切形または浅いハート形。裂片のふちには欠刻状の鈍い鋸歯がある。質は草質で薄く、両面とも短い軟毛がある。裏面の脈沿いには短い軟毛がやや密に生える。葉柄は長さ2〜3.5cm、短い軟毛と長毛がある。雌雄別株。前年枝の葉腋に黄緑色の小さな花が1〜数個束生する。花弁はへら形で、ごく小さく、直立する。萼片は長さ約2.5mmでそり返る。雄しべは5個、花糸は短く、葯は萼筒に直接ついているように見える。雌花には雄しべがあるが、退化して小さい。花柱は短く、柱頭は2裂して皿状になる。雄花の花柄には基部寄りに、雌花では中ほどに関節がある。果実は液果。直径7〜8mmの球形。10〜11月に赤く熟す。種子は長さ約3.5mmの楕円形。花期は4〜5月。 冬芽は長さ1cmほどの披針形。短い柄があり、赤褐色を帯びた芽鱗にゆるく包まれる。葉痕は三日月形で、維管束痕は隆起する。(樹に咲く花) 学名は、Ribes fasciculatum スグリ科スグリ属 |
▼2019年4月13日 雌花 美保関 | ▼柱頭は2裂、雄しべは退化して小さい。 | |
▼これは柱頭が3裂しているように見える。 | ▼花弁は小さく萼片の間に直立している。 | |
▼花は直径約7mm。 | ▼雌花は萼筒下部の子房が発達している。 | |
▼雄花には雌しべと雄しべがある。 | ||
▼雄花の子房は発達しない。 | ▼花は直径約9mm。 | |
▼2018年10月20日 果実 美保関 | ▼先端に萼筒が残る。 | ▼まだ熟していない。 |
▼花柄の中ほどに関節がある。 | ||
▼果実は直径約1cm。 | ▼果実の縦断面。 | ▼未熟を含めて種子が10個あった。 |
▼種子は長さ5〜6mm、稜がある。 | ▼ゼリー状物質に包まれている。 | ▼種子の表面に微細な乳頭状突起が密生する。 |
▼冬芽は披針形。 | ▼葉痕は三日月形。 | |
▼樹皮は紫褐色。 | ||
▼2018年4月26日 若い果実 美保関 | ▼先端に萼筒が残る。 | |
▼果柄の途中に関節がある。 | ▼短枝の葉腋に果柄がつく。 | |
▼葉柄の基部に数個の羽状の長毛がある。 | ▼若い枝には縮れた軟毛が密生する。 | |
▼古い枝は暗褐色。 | ||
▼2016年5月17日 美保関 | ▼葉は5浅裂し、裂片の先は尖らない。 | ▼若い枝は灰白色、軟毛がある。 |
▼徒長枝の葉の葉身は長さ約7cm、葉柄は6cm。 | ▼表面には短軟毛が散生する。 | |
▼裏面の脈上に短軟毛が密生する。 | ||
▼裏面には短軟毛が散生する。 | 葉柄の基部に数個の長毛がある。 | ▼長毛は長さ0.5〜2.5mm。 |
▼葉柄基部の長毛。 | ▼葉柄には縮れた短軟毛が密生する。 | |
▼古い幹は暗赤褐色になる。 | ||