樹木の冬芽と葉痕 ア〜オ |
冬芽は冬の時期に枝の先や途中についている葉や花の芽のことをいい、毛で覆われたもの、芽鱗(がりん)で覆われたもの、副芽という予備の芽を持ったものなど色々な形がある。 アカメガシワやムラサキシキブなどのように小さな葉の形をした裸芽(らが)や、コナラやタブノキなどのように魚のうろこのようなもの(芽鱗)に包まれているものがある。葉芽と花芽がいっしょに入っているものを混芽という。 さらに、葉柄がついていたあと(葉痕)やその中の維管束痕の形も様々で、落葉樹では木の名前を調べるときに役立つ。 参考サイト 冬芽と葉痕集 愉快な冬芽・葉痕達 |
アオキ | 紡錘形。先きの尖った芽鱗が3対ある。葉痕は三角状半円形。維管束痕は3個。 | ||
アオギリ | 冬芽は球形。頂芽は直径8〜15mm。側芽は小さい。赤褐色の毛が密生する。葉痕は大きくほぼ円形。 | ||
アオナラガシワ | 長楕円形で、先きは鈍い。頂芽の回りに頂生側芽が集まってつく。 | ||
アオハダ | 長さ1〜3mmの円錐形。先端はとがり、芽鱗は6〜8個。葉痕は半円形で、左右に微小な突起(托葉)がある。維管束痕は1個。 | ||
アカガシ | 楕円形で細い絹毛がある。 | ||
アカシデ | 16〜18枚の芽鱗に包まれた先端の尖った紡錘形で枝の太さに比べて大きい。緑色を帯びてやや開出して枝につく。葉痕は半円形。 | ||
アカマツ | ヤニに包まれ、鱗片は赤褐色。 | ||
アカメガシワ | 裸芽であり、星状毛や腺点に覆われている。葉痕は丸くて大きい。 | ||
アキグミ | 裸芽で互生。頂芽は広卵形で側芽より大きい。鱗状の毛に覆われる。 | ||
アキニレ | 長さ2〜3mmのやや扁平な卵形。芽鱗は4〜5個。葉痕は半円形。維管束痕は3個。 | ||
アクシバ | 長さ3〜4mmの狭楕円形。芽鱗は2個で無毛。葉痕は三日月形〜扁円形。維管束痕は1個。 | ||
アケビ | 長さ3〜4mmの卵形。芽鱗は12〜16個。葉痕は半円形。 | ||
アジサイ | 頂芽は裸芽で、長さ1〜2cmの長卵形。側芽は長さ3〜13mmで2個の芽鱗に包まれる。葉痕は三角形〜ハート形。維管束痕は3個。 | ||
アセビ | 卵形。 | ||
アブラギリ | 頂芽だけが発達する。頂芽は半球形で長さ7〜12mm。芽鱗は7〜12個。葉痕は円形で大きく、左右に托葉痕がある。 | ||
アベマキ | 冬芽は長さ4〜8mmの長卵形。芽鱗は20〜30個。芽鱗のふちには灰色の毛が密生する。葉痕は半円形。 。 | ||
アラカシ | 卵形。茶色のうろこ状の芽鱗で被われ、長さ約5mm程度。一か所に多くの冬芽ができる。 | ||
アワブキ | 裸芽で褐色の毛におおわれる。 | ||
イイギリ | 頂芽は赤褐色で、長さ5〜9mmの半球形。芽鱗は7〜10個。表面は樹脂のために光沢があり、やや粘る。側芽は発達しにくい。葉痕は大きくて丸く、維管束痕は多数。 | ||
イタチハギ | 冬芽は卵形で先端はややとがり、枝に伏生し、3〜5枚の芽鱗につつまれる。葉痕は半円形または三日月形となる。普通副芽をつける。 | ||
イタビカズラ | |||
イチジク | |||
イチョウ | 頂芽は半球形、淡褐色。葉痕は半月形。 | ||
イヌエンジュ | 冬芽は暗褐色の卵形。芽鱗は2〜3個でほとんど無毛。仮頂芽は側芽よりもやや大きく、長さ5〜8mm。葉痕は半円形。維管束痕は3個で、横1列に並ぶ。 | ||
イヌコリヤナギ | 冬芽は対生かやや対生し、長卵形で先端はややとがり、1枚の芽鱗に包まれる。葉痕はV字形または三日月形。 | ||
イヌザクラ | 冬芽は卵形で先はとがる。芽鱗は紅紫色で、光沢があり、無毛。葉痕は半円形〜腎形、維管束痕は3個。 | ||
イヌザンショウ | ごく小さな半球状。 | ||
イヌシデ | 卵形で先端はややとがる。芽鱗は12〜14個。 | ||
イヌビワ | 円錐形で、先が細くなり尖る。2個の托葉が基部で合着し芽鱗状となり冬芽を包み、この托葉が落ちた痕が托葉痕で枝を一周する。葉痕は円形または腎臓形で、托葉痕が枝を一周する。 | ||
イヌブナ | 長さ1〜2.7cmの披針形で、先は鋭くとがる。芽鱗は16〜22個。本年枝と2年枝の境にはっきりした輪状の芽鱗痕がある。 | ||
イヌマキ | |||
イボタノキ | 冬芽は卵形。頂芽が発達しないことが多い。葉痕は半円形で隆起する。 | ||
イラクサ | 葉痕 | ||
イワガラミ | 頂芽は卵形〜円筒形で、褐色の芽鱗。芽鱗には灰白色〜淡褐色の毛が密生。葉痕は逆三角形、維管束痕は3個。 | ||
ウグイスカグラ | 長さ2〜4mmの卵形。芽鱗は1〜2対。徒長枝には葉柄の基部が広がり、対の葉柄の基部と合着したつばが残っている。 | ||
ウツギ | 8〜10枚の芽鱗に包まれた先の尖った卵形で対生。普通、仮頂芽は2個。葉痕は三角形。 | ||
ウラジロガシ | 長楕円形。芽鱗には白色の絹毛が密生する | ||
ウラジロノキ | 長さ5mmほどの卵形。芽鱗は赤褐色〜紅紫色。葉痕は隆起する。 | ||
ウラジロマタタビ | 隠芽。隆起した葉枕に隠れている。 | ||
ウリカエデ | 紅色〜紫褐色で楕円形。葉痕はV字〜U字形で、維管束痕は3個。柄がある。 | ||
ウリノキ | 枝先に長さ3〜4mmの仮頂芽がつく。側芽はやや小さい。芽鱗には長い毛が密生する。葉痕は馬蹄形で冬芽をとり囲む。維管束痕は7個。 | ||
ウリハダカエデ | 枝先に頂生側芽を伴った頂芽がつく。芽鱗は2対、紅色または紫紅色。頂芽は大きく長卵形で無毛。葉痕はV字形又はU字形、維管束痕は3個。 | ||
ウワミズザクラ | 冬芽は卵形又は三角状卵形で先端はとがり、5〜8枚の芽鱗に包まれる。2年枝には花序の落ちたあとが円形の落枝痕となり目立つ。葉痕は半円形又は三角形。 | ||
ウンリュウヤナギ | |||
エゴノキ | 裸芽。長卵形。先は丸く、表面には星状毛が密生。基部には副芽が発達する。葉痕は半円形で小さい。 | ||
エニシダ | 冬芽は卵形または球形で先端はややとがり、2枚の芽鱗につつまれる。葉痕はV字形。 | ||
エノキ | 冬芽は長さ1〜5mm。円錐形で先はとがる。芽鱗は2〜5個。葉痕は三角形で隆起する。側芽はごく小さい。 | ||
エビガライチゴ | 冬芽は紡錘形で軟毛がある。 | ||
エビヅル | 円錐形〜半球形。長さ2〜3mm。無毛だが、芽鱗が取れると褐色縮毛がある。 | ||
オオイタビ | |||
オオウラジロノキ | 芽鱗のふちに白毛が密生する。 | ||
オオバヤシャブシ | 長さ1〜1.5cmの披針形。芽鱗は3〜4個。雄花序の冬芽は雌花序より下につく。葉痕は三角形。 | ||
オオバヤドリギ | |||
カナリーキヅタ | |||
オニイタヤ | 芽鱗は5〜対。 | ||
オニグルミ | |||